一番怖いのは生きている人間

幽霊や、もののけ、あやかし、妖怪なんかより生きている生身の人間の方がよっぽど怖い。
まず、何のために生きているのか、何のために人間界で修業しているのか、まあ、もっとも修行しているなどとは微塵も思っていないのだろうが、とにかく生きている理由を知らない、つまり記憶を消されているから知らないのだが、それ故に何でもありといことになってしまう。

憎いと殺意が芽生えたら殺人を犯し、金を奪おうと思ったら殺人を犯し、己の利益のために人を騙し、盗みに入り、生きているのに疲れたからと殺人を犯し、刑務所に入りたいからと殺人を犯し、腹が立てば親兄弟や実の子供など家族までも容赦なく殺しまくる。
こんなことが横行しているこの人間界、非常に恐ろしいではないか。

そして、呪いや念で他人の不幸を願ったり、時には生霊となって相手に憑依する。
本当に幽霊より恐ろしく厄介なのだ。
馬鹿は死ななきゃ治らないとは、よく言ったもので、死んでみて初めて己の愚かさに気付くのだが、その時は既に遅しである。
死んでも自分の馬鹿さ加減に気付かぬ者もおり、そういった者は死してもなおこの世に残り、地縛霊や憑依霊となって彷徨い続ける。
お迎えが来ても死んでしまったことにすら気付いていないから霊界に行けないのだ。

ほとほと困ったものだが、私たちはそのようなことがないよう死という人間道場の卒業を迎えたいものである。

タイトルとURLをコピーしました