葬儀参列の作法と所作

仏教の葬儀に於いては、香典袋は「御香典」又は「御霊前」である。
通夜、葬儀後にお供えする香典袋は「御仏前」を使用する。
表書きの水引の下には、薄墨で氏名を書く。
一つの封筒に会社等で複数の香典を入れる場合は、正面右から縦書きに目上の者から氏名を記入する。
会社名や団体名がある場合は、向かって右側の氏名の前に記入する。

宗教が分かっている場合は、キリスト教系であれば「お花料」、神道であれば「玉串料」又は「御神前」。
金額等数字の書き方は、必ず数字の前に「金」と書き、円(圓)の後には「也」を記す。
3,000円は『金、參(参)阡圓也』、2,000円は『金、貮(弐)阡圓也』、10,000円は『金、壹(壱)萬圓也』。

香典袋は紫色または灰色や黒色等地味な色の袱紗に包んで持参し、記帳台にて袱紗(ふくさ)から取り出し、右回り(時計回り)に表書が正しく見えるよう回して差し出す。
そして記帳する。
次に祭壇前に進み、遺族に対して一礼、この時「この度はお淋しいことでございます」とお悔みの言葉を述べる(ご愁傷様(しゅうしょうさま)ですは、現在あまり使わない)が、別に何も言わなくともよい。

祭壇前で、仏教ならば、祭壇に一礼してから抹香を三つ指(親指、人差し指、中指)でひとつまみを額前で押し頂き香炉へ置く(これを3回行うが1回でもよい。また、額前で押し頂くことも省略して構わない)。
そして合掌し、その後一礼してから再び遺族に一礼して下がる。
他宗教の場合も基本的な所作は同じだが、キリスト教系の場合は、抹香の代わりに花を受け取り、一礼して右回り(時計回り)に花側が手前に向くよう献花台に置いて一礼する。
神道の場合は、神官から玉串(たまぐし)を両手で受けて一礼。
祭壇の2・3歩前で止まり、玉串を目の高さにして一礼し、玉串の枝が自分に向くよう引き寄せる。
祭壇前で時計回りに回し、根元を神前に向けて台に供える。
二礼二拍手一礼を行うが、この場合の拍手は音を立てないしのび手を行う(神道では合掌はしない)。
数歩下がり、遺族、神官に一礼して下がる。

作法はしっかりと身につけておくべきだろう。

最近は、作法を軽んじる風潮があり、そこが何とも残念でならない。
作法とは古来より意味があって今に伝わるものなのである。

それは食事の作法と同じこと。
なぜ汁椀はご飯の右側にあるのか、汁椀が右側にあったらおかずを取るときに邪魔ではないか、しかも左手で汁椀を持ち上げるのは若干困難である。

これは、一旦箸を置いて、右手で椀を持ち上げて、左手の四本指で底を支えて持ち、再び右手で箸を持ち上げるという所作を行うことになっている。
なぜか、早食いを抑制するため、食べ過ぎを抑制するための知恵であろう。
いちいち所作を多く複雑にして、精神を集中させ、満腹感を得さしめるという工夫なのだ。

作法とはそういうものだ。
人間、特に我々日本人はいたるところで精神を磨くチャンスを作法という名の下に作っている。
素晴らしいことではないか。

人生の終わりの総決算に立ち会うのだから、しっかり練習して身につけておきたいものだ。

タイトルとURLをコピーしました