恐怖体験 自宅に住まうもの

私の実家の話である。
もうかれこれ20年ほど前のことになるだろうか。
今の家に引っ越す前に住んでいた家で、昭和10年築の2階建ての家で、純和風の造りであった。
造りは、土台は栗、その他は総欅造りで本当に立派な家である。
ただ、風水的には非常に問題の多い家であったように思う。

階段が来客者用と家人用と二つあり、便所も来客用と家人用と二つあり、その内ひとつは鬼門にあった。
しかも恐ろしいことに井戸を正しく埋めていなかった。
井戸を残したままそこに下水を落とし、上をセメントで塞ぎ、小さな穴だけ開け、その上を土足で歩いていた。
つまり、井戸の神様の頭を踏みつけながら歩いていたということだ。
当時の大工によると、その井戸をセメントで塞ぐ際に、梅の実と葦(ヨシ)の枝を井戸の中に落として「ウメてヨシ」などと勝手なことを言って行ったのみで、神主や僧侶に依頼して正しい仕舞方をしなかったのだという。

井戸は息をしている、生きている、そこには井戸の神様が宿っているのだが、そんな場所に汚水を流し、しかもセメントで塞ぐなど、生き埋めにした挙句にゴミ捨て場にしてしまったようなもので、とてつもなく恐ろしいことをしていた。

家族は皆、そんなことを知らず、数十年も住んでいたのだ。
どうりで曽々曽祖父も、曽祖父も、祖父も、そして祖父も頭の病気、つまり脳溢血や脳梗塞、事故による脳挫傷で亡くなり、併せて事故も頻繁であった。

ある時、私の師にあたる筋の方に相談したところ、「これはダメだ、早急に井戸を正しく埋める必要がある。今までの災禍の原因はここにある」と、明確に指摘された。
師には、このことは一切話していなかったにも関わらずである。

それから少ししてから、2階の座敷の天井で何ものかが走り回る音が聞こえ、天井から、あるはずもない大量の砂がバラバラと大量に落ち、畳が砂だらけになってしまったことがある。
10キロの米袋2つほどだったろうか、父が恐る恐る天井裏を覗いてみると、そこには何ものもおらず、砂ひとつなく、足跡も何かが這いまわった後もなかったそうで、極めて綺麗だったと言っていた。

一体何だったのかは未だに謎だが、もしかすると私が何ものかを連れてきてしまったのかもしれない。
ただ一つだけ、父が言っていたのだが、父が子供の頃に天井裏に入って遊んでいた時にはなかったはずの、人間の頭ほどの大きさの漬物石のようなものが置いてあったという。

このとき私は、実家から離れて住んでいたため、天井から砂が降ったという現象が起こった正にその時は居合わさなかったが、翌日実家に行くと確かに多量の砂が袋に入れられていた。
そして、天井裏から見つかった謎の石は、塩で清めて供養したが、その後の行方は不明である。
一体どこに・・・・・。

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